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Chassis Number Stamping

車台番号が読めないとき【職権打刻・自分で打ち直すと50万円以下の罰金】

錆びて読めない、事故でつぶれた、車検証と合わない――車台番号のトラブルは、手を入れた瞬間に別の問題に変わります。誰が打てるのか、触ってよいのか、読めなくなった車はどうなるのかを、条文から順に整理します。

車台番号が錆びて読めない。事故で打刻の部分がつぶれた。中古で買った車の番号が車検証と合わない――このときいちばんやってはいけないのが、自分で何とかしようとすることです。条文が、はっきり禁じています。

まず結論

車台番号を打てるのは、法律で決まった人だけです(法29条1項)。打刻を塗りつぶす・識別を困難にする行為も禁止です(法31条)。どちらも50万円以下の罰金(法107条2号)。読めなくなった車は、国土交通大臣が職権で打刻します(法32条)。直す道は、自分の手ではなく手続きの側にあります。

01

自分で打ち直すことはできません

道路運送車両法第29条第1項は、打刻できる人を3つに限っています。

  • 自動車の製作を業とする者
  • 自動車の車台又は原動機の製作を業とする者
  • 国土交通大臣が指定した者

そして「以外の者は、自動車の車台番号又は原動機の型式を打刻してはならない」と書いています。所有者本人も、整備工場も、この3つに当たらなければ打てません。

打てる人であっても、勝手にはできません。打刻しようとするときは、様式その他の国土交通省令で定める事項をあらかじめ国土交通大臣に届け出て、その届け出たところに従って行います(同条2項)。届け出た内容が適当でないと認められれば、変更を命じられます(同条3項)。

「番号が読めないから彫り直しておいた」は通りません

善意でも、直すつもりでも、第29条第1項の違反です。罰は50万円以下の罰金(法107条2号)。車の価値を守るつもりの行為が、いちばん高くつきます。

02

打刻に手を入れる行為そのものが禁止です

第31条は、打てる人・打てない人の話ではありません。「何人も」で始まります。

第31条(打刻の塗まつ等の禁止)

何人も、車台番号又は原動機の型式の打刻を塗まつし、その他……識別を困難にするような行為をしてはならない。ただし、国土交通大臣の許可を受けたとき、又は次条の規定による命令を受けたときは、この限りでない。

禁じられているのは「塗りつぶす」だけではなく、その他識別を困難にするような行為です。⚠ どこからが当たるのかは、条文に書かれていません。

錆落とし・板金の前に相談してください

錆を削るつもりが番号まで削ってしまう、板金でパネルごと替えてしまう――結果として読めなくなれば、あとから説明のつかない状態になります。打刻のまわりに手を入れる前に、管轄の運輸支局に相談するのが確実です。ただし書きが「許可」と「命令」の2つしか置いていないことが、この条の重さを示しています。

03

読めなくなった車は、職権で打刻されます

では読めない車はどうなるのか。第32条(職権による打刻等)が道を用意しています。

第32条の柱書

国土交通大臣は、自動車が左の各号の一に該当するときは、その所有者に対し、車台番号若しくは原動機の型式の打刻を受け、若しくはその打刻を塗まつすべきことを命じ、又は自ら車台番号若しくは原動機の型式の打刻を塗まつし、若しくは打刻をすることができる。

どんな場合か
1号車台番号又は原動機の型式の打刻を有しないとき
2号その打刻が他の自動車の打刻と類似のものであるとき
3号その打刻が識別困難なものであるとき

錆や損傷で読めなくなった車は3号です。並行輸入や自作で番号がそもそも無い車は1号にあたります。

「命じる」と「自ら行う」の2本立て

柱書は、所有者に命じることと、国土交通大臣が自ら塗まつ・打刻することの両方を書いています。所有者が自分で打つ話にはなっていません。命じられるのは「打刻を受ける」ことです。

そして第31条のただし書は、この第32条の命令を受けたときを除外しています。⇒ 手を触れてよいのは、許可か命令があるときだけ、という組み立てです。

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罰は条ごとに違います

やってしまうこと違反する条罰条
打てる人以外が打刻した法29条1項50万円以下の罰金法107条2号
打刻を塗まつした・識別を困難にした法31条50万円以下の罰金法107条2号
31条ただし書の許可を、詐偽その他不正の手段により受けた法31条ただし書50万円以下の罰金法107条1号
職権打刻の命令に従わなかった法32条の命令50万円以下の罰金法109条6号
打刻の届出内容の変更命令に従わなかった法29条3項の命令30万円以下の罰金法110条1項7号
輸入時の打刻の届出をしなかった・虚偽の届出をした法30条1項30万円以下の罰金法110条1項3号

打刻そのものに触れる違反は50万円、届出まわりの違反は30万円という並びになっています。

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輸入車には別に「打刻の届出」があります

第30条は輸入自動車等の打刻の届出です。輸入を業とする者が対象で、輸入の日から20日以内に、車台番号及び原動機の型式の様式その他の国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に届け出ます(同条1項)。

ただし、自動車または車台・原動機の製作者の書面を添えて届け出たときは、1項の届出はしなくてよいとされています(同条2項)。

並行輸入車を買うときの見どころ

この届出は輸入業者の義務で、買った人の義務ではありません。ただ、届出がされていない車は、あとで登録・検査の場面で番号の説明がつかなくなります。並行輸入車は、番号まわりの書類がそろっているかを買う前に確かめてください。

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よくあるつまずき

  • 読めないので自分で打ち直した法29条1項違反。50万円以下の罰金(法107条2号)
  • 整備工場に頼んで打ってもらったその工場が法29条1項の3つに当たらなければ同じことです
  • 錆を削っていたら番号まで消えた法31条は「識別を困難にするような行為」を禁じています。手を入れる前に相談を
  • 職権打刻の命令が来たが放置した50万円以下の罰金(法109条6号)。命令違反は届出違反より重く置かれています
  • 並行輸入車の番号の書類を確かめずに買った輸入時の届出は輸入業者の義務。あとから遡れません
  • 「識別困難」かどうかを自分で判断した32条の1号〜3号に当たるかを決めるのは国土交通大臣です
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よくある質問(FAQ)

Q車台番号が錆びて読めません。自分で打ち直してよいですか?
A

できません。道路運送車両法第29条第1項は、打刻できる者を自動車の製作を業とする者・車台又は原動機の製作を業とする者・国土交通大臣が指定した者に限り、それ以外の者は打刻してはならないとしています。違反は50万円以下の罰金です(法第107条第2号)。

Qでは、どうすればよいのですか?
A

法第32条が職権による打刻等を定めています。打刻を有しないとき(1号)、他の自動車の打刻と類似のものであるとき(2号)、識別困難なものであるとき(3号)に、国土交通大臣が所有者に打刻を受けるべきことを命じ、又は自ら打刻をすることができるとされています。手続きの流れと必要書類は運輸支局の案内によりますので、管轄の支局にご確認ください。

Q錆を落として読めるようにするのは問題ありませんか?
A

手を入れる前に相談してください。法第31条は「何人も」を主語に、打刻を塗まつし、その他識別を困難にするような行為をしてはならないとしています。どこからが当たるかは条文に書かれていません。ただし書きが置かれているのは国土交通大臣の許可を受けたとき第32条の命令を受けたときの2つだけです。

Q職権打刻の命令が来ました。従わないとどうなりますか?
A

50万円以下の罰金の定めがあります(法第109条第6号)。打刻の届出内容の変更命令に従わなかった場合(法第29条第3項)は30万円以下(法第110条第1項第7号)で、職権打刻の命令違反のほうが重く置かれています。

Q並行輸入した車の番号はどうなっていますか?
A

法第30条第1項は、輸入を業とする者に対し、輸入の日から20日以内に車台番号及び原動機の型式の様式その他の事項を届け出るよう求めています。製作者の書面を添えて届け出たときは、この届出は不要です(同条2項)。届出をしなかった・虚偽の届出をした場合は30万円以下の罰金(法第110条第1項第3号)。

Q打てる人なら自由に打ってよいのですか?
A

違います。法第29条第2項は、打刻しようとするときは様式その他の国土交通省令で定める事項をあらかじめ国土交通大臣に届け出て、その届け出たところに従って行うよう定めています。届出の内容が適当でないと認められれば変更を命じられます(同条3項)。

出典(一次情報)

打刻できる者と届出:道路運送車両法 第29条/輸入時の届出:同 第30条/塗まつ等の禁止:同 第31条/職権による打刻等:同 第32条/罰則:同 第107条第1号・第2号、第109条第6号、第110条第1項第3号・第7号(いずれも e-Gov法令検索)。手続きの流れ・必要書類・所要期間は運輸支局ごとの案内によります。

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